「ヤスイの洗車機って、今でも買えるの?」
洗車機の導入や買い替えを検討し始めたとき、かつて存在した「ヤスイ」というブランドの名前に行き当たり、そんな疑問を持った方も少なくないでしょう。
結論からお伝えします。「ヤスイ」ブランドの新規洗車機は、現在販売されていません。 ただし、その技術と事業は2010年に株式会社ダイフク(現在のダイフクプラスモア)に引き継がれ、現在も進化を続けています。つまり、あなたが探している「ヤスイの洗車機」は、形を変えて「ダイフク」の洗車機として受け継がれているのです。
この記事では、ブランドの変遷から現行モデルの比較、そして中古市場で「ヤスイ」を見つけたときのリアルなリスクまで、経営者視点で徹底解説します。
ヤスイ洗車機は今どうなっている?事業譲渡の経緯
まずはっきりさせておきたいのが、「ヤスイ」が洗車機市場から完全に消えたわけではないという点です。
ヤスイ(YASUI)は、元々ガレージ用ジャッキのメーカーとして知られ、洗車機の製造・販売も手がけていました。しかし、2010年に同社の洗車機事業はダイフクグループへ譲渡されました(出典:Wikipedia「YASUI」)。これ以降、新規の開発・製造はダイフクが担い、ブランドとしては徐々にフェードアウトしていったのが実態です。
ただし、ここで注意が必要です。事業譲渡後もすぐにブランド表記が切り替わったわけではなく、移行期には「ヤスイ」ブランドの製品が供給されていた可能性があります。実際に、Yahoo!ショッピングなどの中古市場では2018年式の「ヤスイ ミラコン スピリッツ RO-85YS」が販売されていた事例が確認できます(出典:Yahoo!ショッピング・エンロンストア)。つまり、少なくとも2010年代後半までは「ヤスイ」の名前が付いた製品が流通していたと考えられます。
ただ、現時点で「ヤスイ」の新車をメーカーから直接購入する道はありません。もし新車での導入をお考えなら、現在のラインアップはすべてダイフクプラスモアのブランドで展開されています。
ダイフクに継承された洗車機ラインアップ
では、現在ダイフクプラスモアが提供している洗車機には、どんなものがあるのでしょうか。公式サイト(出典:ダイフクプラスモア)の情報をもとに、代表的なモデルをピックアップしました。
ドライブスルー型(車が通過するタイプ)
- ツインフェクト リーシア
- トレウス WIDE
- トレウス / コーディア
門型(車が停止して洗車するタイプ)
連続洗車機(トンネル式)
大型車両向け
- カミオン カスタム
この中でも、特にコイン洗車場やガソリンスタンドの経営者から注目を集めているのがグロッサNEOです。このモデルはサービスステーション向けだけでなく、無人洗車場専用仕様も用意されており、24時間稼働を前提とした設備投資を考えている方には要チェックの一台と言えるでしょう。
ヤスイ時代と現在のダイフク製は何が違うのか
気になるのは、「ヤスイ」時代と「ダイフク」になってから、製品の質や性能に差があるのかという点です。
この点については、公式発表があるわけではありませんが、ダイフクプラスモアの現在の製品群を見ると、車形自動認識システムやLED照明の採用、遠隔監視システムのオプション化など、明らかに技術が進化していることがわかります。
特に無人洗車場を運営する上で重要なのは、稼働率の安定性とメンテナンスのしやすさです。ダイフクプラスモアは全国規模のサポートネットワークを持っており(出典:同社サイト)、これはヤスイ時代からの大きな強みを継承しつつ、さらに拡充したものと見られます。
逆に言えば、中古のヤスイ製品を導入する場合、この「サポート網」が利用できない、あるいは限定的になるというデメリットが生じる可能性があります。
中古のヤスイ洗車機を買う前に知っておくべき3つのリスク
「どうしても予算を抑えたい」「とりあえず中古で稼働させたい」という場合、中古市場で「ヤスイ」の洗車機を見かけることがあるかもしれません。しかし、ここで注意すべきポイントがいくつかあります。
リスク①:メーカーサポートの有無
事業譲渡からすでに10年以上が経過しています。最新の機種でも製造から数年は経過しているため、純正部品の供給がスムーズに行われる保証はありません。仮に故障した場合、修理業者を自分で探す必要が出てくるでしょう。
リスク②:センサー精度の経年劣化
洗車機の要であるセンサー類は、経年劣化によって車体の認識精度が落ちることがあります。これは、車体を傷つけるリスクに直結する問題です。特に、タイヤブラシ付きのモデルでは、このリスクが顕著になるという指摘があります(出典:Yahoo!知恵袋)。実際に、過去の知恵袋ではタイヤブラシによる車体損傷を懸念する声が複数見られました。
リスク③:無人運営への対応
現在のダイフク製グロッサNEOには無人洗車場仕様が用意されていますが、旧ヤスイモデルで同様の運用をするには、決済システムとの連携や遠隔監視機能の追加など、別途大がかりな改修が必要になるケースが多いと見られます。
このように、「一見安く見える中古品には、見えないコストが隠れている」 というのが実情です。
ヤスイ/ダイフク製 vs 他社メーカー:事業者視点の比較
ここで、他メーカーと比較したときのダイフク(旧ヤスイ)製のポジショニングを整理しておきましょう。以下の表は、公開情報をもとにした事業者視点の比較です。
| 比較軸 | ダイフクプラスモア | MK精工 | アベテック | ヤスイ(中古) |
|---|---|---|---|---|
| 代表的な門型機種 | グロッサNEO / ジスペクトⅣ | (要調査) | (要調査) | ミラコン スピリッツ |
| 新車価格帯 | 公表なし(要問合せ) | 公表なし | 公表なし | 市場価格(例:約68万円) |
| 全国サポート体制 | あり(公式サイトで確認済) | (要調査) | (要調査) | なし(メーカー保証終了) |
| 無人洗車場対応 | 専用仕様あり(グロッサNEO) | (要調査) | (要調査) | 不明(改造が必要な場合あり) |
| 最新技術(センサー精度等) | 車形自動認識・LED採用 | (要調査) | (要調査) | 旧式(傷リスクの指摘あり) |
※MK精工・アベテックの詳細な比較データは本記事では確認できていません。実際の導入時には各社へ直接問い合わせることをおすすめします。
この表からわかるのは、中古のヤスイ製品は「価格」以外のすべての項目で、現行のダイフク製品に劣るという点です。特に「サポート」と「最新技術」の差は、長期的なランニングコストに大きく影響するでしょう。
結局、今「ヤスイ洗車機」を検索している人が取るべき選択肢
ここまでの話をまとめると、現在「ヤスイ 洗車機」を検索している方が取るべきアクションは、以下の3つに絞られます。
選択肢①:新車で安心を取る → ダイフクプラスモアの現行モデルを導入する
予算に余裕があり、長く安心して稼働させたいなら、これが最善の選択です。特にグロッサNEOやトレウス WIDEなど、最新のセンサー技術とサポート網を備えたモデルを検討しましょう。価格は公表されていませんが、導入の際は同社の営業窓口で見積もりを取ることになります。
選択肢②:中古でコストを抑える → リスクを完全に理解した上で購入する
どうしても予算が厳しい場合は、中古の「ヤスイ ミラコン スピリッツ」なども選択肢に入ります。ただし、その場合も「サポートなし」「故障時の自己責任」「傷リスクの許容」 を前提にしなければなりません。特にRO-85YSなどは2018年式でも流通している例がありますが、保証は一切ないと思ってください。
選択肢③:まずは情報収集 → 各メーカーの公式比較を依頼する
「ヤスイ」というキーワードで調べている段階であれば、まだ導入を急いでいないケースも多いでしょう。その場合は、ダイフクプラスモアをはじめとする複数メーカーからカタログを取り寄せ、自社の立地や客層に合った機種を比較するのが確実です。
ヤスイの名前は、日本の洗車機史において確かに重要な足跡を残しました。しかし、その技術は現在、ダイフクという大きな船に乗って、さらに進化を続けています。過去のブランドにこだわるよりも、「今、何を選べば事業として成功するか」 という視点で判断することをおすすめします。

コメント