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防湿コーティング剤、どう選ぶ?3M Novec 1700生産終了で変わる代替品選びと現場のリアルな課題

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電子基板の信頼性を左右する防湿コーティング剤。選び方を調べ始めたものの、種類が多すぎて迷っていませんか?しかも2026年に入ってから、あの定番品だった3M Novec 1700の生産が終了しているという話も出てきて、ますます判断が難しくなっています。この記事では、現場の技術者や設計者が本当に知りたい「塗布のしやすさ」「保管時のトラブル」「法規制対応」といった実務視点を中心に、どうやって最適な1本を選べばいいのかを具体的に解説します。結論から言うと、今は「見える化」できる製品と、代替え品として実績のあるPROMOSOLV™ UT10のような選択肢を押さえておくのが確実です。

防湿コーティング剤の選び方:まずは「見えるかどうか」がカギを握る

さっそく本題に入りましょう。防湿コーティング剤を選ぶとき、多くの解説では「アクリル系」「ウレタン系」「シリコーン系」「フッ素系」といった樹脂の種類から説明が始まります。もちろんそれは大事なポイントですが、それだけだと現場で「思ってたのと違う」というトラブルが起きやすいんです。

実際に製品レビューを調べてみると、一番多い不満が「透明すぎて塗った場所がわからない」という声でした。重ね塗りをするときにどこに塗ったのか判断できず、結局ムラになったり、塗り忘れが発生したりする。特にフッ素系の薄膜タイプはこの傾向が強く、目視での品質管理が非常に難しくなります。

だからこそ、最初にチェックすべきは「色付きのバリエーションがあるか」「UVライトで確認できる蛍光剤入りがあるか」という点です。例えば、サンハヤトのハヤコート Mark2シリーズは、クリアだけでなく蛍光、黄、緑、赤、黒といったカラーバリエーションが用意されていて、塗布状態の確認が格段にしやすくなっています。また、UVチェック対応の製品なら、塗布後の検査も簡単です。

知っておきたい最新動向:3M Novec 1700の生産終了と代替品問題

2026年に入ってから、業界でひそかに話題になっているのがフッ素系コーティング剤の定番だった「3M Novec 1700」の生産終了問題です。3MがPFAS関連化学品の市場から撤退する流れの一環で、すでに供給が厳しくなっている状況が報じられています(同美企業股份有限公司の技術ニュース、2026年1月19日)。

このニュースが重要なのは、多くの設計者が「とりあえずNovec」で選んでいたからです。実際には、Novec 1700とドロップイン(そのまま置き換え可能)で使える代替品として、INVENTEC社の「PROMOSOLV™ UT10」が提案されています。もし現在Novec 1700を使っていて代替を検討しているなら、UT10は真っ先にチェックすべき選択肢のひとつです。

ただし、代替品といっても完全に同じ特性かどうかは別物。フッ素系コーティング剤はもともと薄膜で防湿性が高い反面、塗布箇所の視認性が低いというトレードオフがあります。この最新の供給動向を踏まえて選定するかどうかで、1年後の調達リスクが大きく変わってくるでしょう。

上位記事が答えていない「現場の困りごと」3選

ネット上の解説記事には載っていないけれど、現場ではよく聞く悩みを3つ紹介します。

1. 未開封でもゲル化する問題

通販サイトのレビューを見ていると、「未開封の状態で保管していたら、使い始める前にゲル化(固まって)してしまった」という趣旨の投稿が複数確認できました。これは製造ロットや保管温度にもよりますが、防湿コーティング剤は意外とデリケートです。

特に硬化反応が進みやすいウレタン系やエポキシ系は、開封前でも経年で粘度が上がることがあります。この対策としては、必要な分だけ小ロットで購入する冷暗所で保管する製造年月日を確認してから購入するといった工夫が必要です。記事やカタログには「保存方法:冷暗所」としか書いていないことが多いですが、実際には半年〜1年単位での劣化リスクを前提に動いたほうが安全です。

2. 塗布厚みの管理が難しい

もうひとつの大きな悩みが「どのくらいの厚みで塗れているのかわからない」という点です。特に透明な製品は、一度塗っただけでは膜厚がゼロなのか10μmなのか50μmなのか、まったく判断がつきません。

この問題に対しては、ハヤコートのカラーシリーズのように、色がついているものを選ぶことで「塗った量」を視覚的にコントロールできるようになります。また、富士化学産業のSeal-glo® 630RFのように微かに淡黄色がかった製品も、白い基板の上だと塗布範囲が認識しやすくなっています(出典:Metoree製品ページ、2026年5月26日時点)。

3. 防湿効果が「見えない」不安

コーティングしたあと、本当に効いているのかどうかは即座に確認できません。そのため、「防湿効果は不明」という趣旨の声や、逆に「塗ったら基板が腐食しにくくなった気がする」といった感覚的な評価に頼らざるを得ないケースも多いようです。

ここで重要なのは、メーカー公表の防湿性能データをどう読むかです。フッ素系の「フロロサーフ FG-3650」では、ウレタンやアクリル系と比較して「3〜10倍以上」の防湿性能を謳う説明がある一方(イプロスものづくり、2026年5月19日時点)、別の説明では「4倍以上」と記載されているケースもあり、条件によって数字が変動しています。このあたりは、最終的に各メーカーに試験条件を問い合わせるのが確実です。

現場の負担を減らす「法規制」の視点

防湿コーティング剤の選定で意外と見落とされがちなのが、消防法や有機溶剤規制への対応です。工場や作業場で使う以上、排気装置の有無や健康診断の要不要は現場コストに直結します。

例えば、サンハヤトのハヤコート Mark2は有機溶剤中毒予防規則に非該当であることが明記されており(同社公式ブログ、2026年3月6日)、特別な排気設備や特殊健康診断が不要となります。これは小規模な工房や研究開発施設では大きなメリットです。

一方で、有機溶剤系の製品は安価な傾向がありますが、作業環境の整備コストを考慮するとトータルコストで見劣りするケースもあります。カタログの「非危険物」「有機溶剤非該当」という表記は、ぜひチェックしておきたいポイントです。

塗布品質を「見える化」する製品選びの実践表

ここで、実際に選定する際の判断軸として、塗布品質の管理しやすさを比較してみました。

製品・シリーズ名色のバリエーション蛍光剤(UV検査)対応塗布状態の目視確認特徴(出典)
ハヤコート Mark2(サンハヤト)クリア、蛍光、黄、緑、赤、黒対応(AY-302OBなど)◎ 非常に容易有機溶剤非該当で特別な排気装置不要(同社公式、2026年3月)
goot 防湿コーティング剤(太洋電機産業)透明のみ非対応△ 困難透明のため塗布箇所の判断が難しいというレビューあり
フロロサーフ FG-3650(フロロテクノロジー)情報なし(透明薄膜)情報なし△ やや困難ウレタン・アクリル比「3〜10倍以上」の防湿性能を謳う(イプロス、2026年5月)
Seal-glo® 630RF(富士化学産業)淡黄色透明情報なし○ やや容易粘度120mPa・s、UL94 V-0難燃性登録品(Metoree、2026年5月)

この表を見るとわかるように、色付きかどうかUVチェックができるかどうかは、品質管理のしやすさに直結する大きな要素です。業務用で使うなら、ハヤコート Mark2のような「見える化」対応製品を優先的に検討すると、塗布ミスが減り、結果的に歩留まりが向上するでしょう。

代替え品時代の新しい選択基準:PROMOSOLV™ UT10という現実解

3M Novec 1700の代替として注目されるPROMOSOLV™ UT10ですが、従来のフッ素系コーティングと同じく薄膜で高い撥水性を持ちながら、ドロップイン置換が可能とされています(同美企業、2026年1月)。ただし、フッ素系特有の「塗布の見えなさ」は引き継がれる可能性が高いため、導入時には検査工程の見直しや、蛍光剤の追加といった別の品質管理手段を併用するのが現実的です。

また、代替品に切り替えるタイミングで、一度「本当にフッ素系である必要があるのか?」を問い直すのも手です。もし「そこまで過酷な環境ではない」「コストを抑えたい」という場合は、アクリル系やウレタン系の色付きタイプに移行することで、防湿性能と作業性のバランスがより取りやすくなるかもしれません。

まとめ:今、防湿コーティング剤を選ぶなら「見えること」と「調達の安定性」を最優先に

防湿コーティング剤の選び方は、一見すると樹脂の種類やメーカーのブランド力で決まりそうですが、実際の現場では「どれだけ塗布状態を管理できるか」と「今後も安定して手に入るか」が最も実用的な判断軸です。

まずは、色付きまたはUV対応の製品を候補に入れてください。ハヤコート Mark2シリーズのようにカラーバリエーションが豊富な製品や、Seal-glo® 630RFのような微着色タイプなら、目視検査のストレスが格段に減ります。

次に、長期的な調達リスクを考えて、3M Novec 1700に依存しすぎないポートフォリオを組むこと。代替品のPROMOSOLV™ UT10や、別のフッ素系・非フッ素系の選択肢を複数持っておくことで、突然の生産終了にも慌てずに対応できます。

最後に、現場の設備や法規制との兼ね合いも忘れずに。有機溶剤非該当の製品を選べば、大掛かりな排気設備が不要になるケースもあります。カタログの数値だけではなく、「塗ったあとの検査ができるか」「長期間保管しても大丈夫か」といった視点で、ぜひ実際にサンプルを試してみてから決めてください。その一歩が、基板の信頼性を大きく左右します。

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